営業自身の保険を聞いてみよう

生命保険の営業員やファイナンシャルプランナー(FP)がお客に対しておこなっている販売手法を、コンサルティング販売とかオーダーメード販売などと言います。
簡単に言うと、保険の加入や見直しを考えている人の年齢、職業、年収、家族構成、老後の資金計画などを聞き出し、それに見合った保険を見つくろったり組み合わせたりして、これがあなたの状況や希望にぴったりなプランですよと提案するのです。
しかし、これで「ああ、そうですか、ではその通りにいたします」と本当に納得する人がどれくらいいるでしょうか。

お客のほうに金融や保険商品に関するリテラシーがあれば、このプランでリスク対策は十分だろうか、同じような保障でもっと保険料の安いものはないだろうかなど、営業が提出してきたプランを自ら吟味することが可能でしょう。
しかし、そうではない人の場合、なにかキツネにつままれたような感じを持ちながら、保険のプロが勧めているのだからと、加入する人も多いことと思います。

その営業と知り合ったのが親しい知人からの紹介なら、変なプランや必要のない保険を売りつけられることはまずないでしょうが、偶然担当になったり窓口で購入する場合は、客とセールスの関係にすぎませんから、素人客は売り手の都合に乗せられる可能性は大いにあります。

保険会社の営業や代理店には、販売ノルマがあることはよく知られています(最近は新規獲得のノルマを廃止した所もあるそうですが)。
特に新発売の保険など、キャンペーン中の商品によく販売ノルマが課せられます。
普通に考えれば、新しい保険商品などは販売するほうもその内容やしくみがまだよくわかっていないので、金融リテラシーが高い相手よりは、素人相手のほうが売りやすいことは明らかです。
ですから、その保険がそのお客に本当に必要かどうかには目をつむり、売り手の都合だけで販売される可能性があります。
また、高い保険を販売したほうが、営業や代理店の成績やノルマ達成に有利に働くので、できるだけ高額の保険を売りたいという意向は常にあり、それが情報弱者の素人客に向けられやすいだろうことは誰が考えてもわかることです。

このように、コンサルティング販売というと聞こえがいいですが、情報を持つ者が持たない者に商品を売ろうという場合、情報操作による顧客誘導は簡単であり、販売テクニックの中になんかしらの情報コントロールがあると思った方がいいでしょう。
目的は売り手に都合のいい商品を、お客に上手く買わせるためです。

では、お客がこのような売り手の意図にごまかされず、自分に本当に合った保険に加入するためにはどうすればいいでしょうか。

一番いいのは、自ら保険や金融について学び知識をつけることです。
お客側に保険や金融に関する豊富な知識があれば、販売側もうかつな提案はできないし、ましてや必要のない保険をだまして売りつけることなどはできません。
しかし、保険や金融について学ぶのは口で言うほど簡単なことではないし、それなりの知識を身につけるのには時間がかかります。

そこで、もっと簡単な方法としておすすめするのが、保険の営業員やファイナンシャルプランナー(FP)に対し、その人自身が加入している保険と、その保険を選んだ理由を質問することです。
もちろん契約者の年齢や収入や家族構成やどこにリスクを置くかなどによって、必要な保険の種類や保険金額などは違ってくるので、営業や販売員が加入しているのと同じ保険に入ればいいということにはなりませんが、年齢と家族構成が似ていればある程度参考にできるでしょうし、選択理由を聞けばその人(保険のプロ)の保険に対する考え方が垣間見えるので、その考え方自体を参考にすることは有益です。
ただし、生保の営業の場合は、当然加入しているのは自社の保険だけで、一般よりも種類が多く保険金額が高めである可能性がありますので留意しておきましょう。
保険を代理店で購入することを考えている人は、何か所か回ってみて複数の販売員に質問してみることをおすすめします。