入院する人は意外に少ない?

近年日本では、一回の入院ごとの入院期間が短くなっています。
これは、医療技術の進歩とともに、病院側の都合によるところが大きいです。
国の医療政策により、平均入院日数が短いほど医療費を高く設定できるので、入院患者の回転率を上げるほど病院側の収入が増える仕組みなのです。
例えば、今まではがんにかかった場合、多くは検査してがんが発見されれば即入院し、手術から抗がん剤による治療、そして緩解(寛解)に至るまで一度の入院で済ませていたのに対し、最近は手術前の検査入院、手術のための入院、抗がん剤治療のための入院というふうに、細かく入退院を繰り返し、一回の入院に対してはできるだけ早期退院させる方向に変わってきています。
ですから、統計的に入院患者の延べ人数(入院回数)は増えているものの、入院する人の数はそれほど増えていません。

実際入院する患者の数が大きく減っていないのは、高齢者が急増しているからです。
日本は高齢化が急速に進んでいるので、特に75歳以上の後期高齢者の入院患者が急増しています。
また、後期高齢者の場合、一回の入院日数が他の患者に比べるとぐんと長くなります。
例えば、脳梗塞で入院する患者の平均入院日数を見ると、40歳代は約40日弱なのに対し、80歳代後半だと160日を超え、90歳代だと250日を超えるそうです。
つまり、統計上の入院患者数と入院日数をかさ上げしているのは、増加している後期高齢患者であり、それより若い世代では入院する人は減っているというのが実情です。
全体的には、医療技術の進歩・発達によって、以前は入院を伴った病気でも通院治療が可能になったり、入院期間も短くなっているのです。

ちなみに厚生労働省の「患者調査(H17年)」によると、がんで入院する確率(男性1,000人あたりの入院回数により算出)は、以下の通りです。

年齢 30〜34 35〜39 40〜44 45〜49 50〜54 55〜59
確率(%) 0.07 0.19 0.27 0.70 1.27 2.55
年齢 60〜64 65〜69 70〜74 75〜79 80〜84 85〜89
確率(%) 3.69 5.48 7.89 9,24 9.24 7.99

この表からわかるように、がんで入院する男性は50歳代になって1%超え、後期高齢者になるとやっと10%近くになる程度です。
脳梗塞の場合はさらに少なく、65歳を超えてやっと1パーセントを超える程度しか、実際の入院患者はいないのです。
ちなみに急性心筋梗塞での入院確率はさらに低くなります。

これから医療保険に加入することをお考えの人は、こういったことを参考にして、入院確率が高くなる後期高齢者になることに備えて今から終身の医療保険に入っておくか、若いうちは入院する確率は低いので、医療保険はやめてがん保険にだけ加入し、貯蓄を増やしておく等の選択をすればいいと思います。